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映画「パラサイト」が描く、韓国のおそるべき「超格差社会」(金 敬哲) - 現代ビジネス

2020年1月10日に公開される韓国映画「パラサイト 半地下の家族」。2019年のカンヌ国際映画祭で、最高賞にあたるパルムドールを受賞した傑作だ。この映画には、上位1%の超富裕層と、その対極にある貧困層の暮らしぶりが、めちゃめちゃリアルに描かれている。

貧しさの象徴であり、映画タイトルにもなっている「半地下」部屋が生まれた経緯は? そもそも、なぜ韓国の社会はこんなにも二極化してしまったのか?『韓国 行き過ぎた資本主義』の著者・金敬哲氏が鋭く分析する。

今年、カンヌでパルムドールを受賞

2018年5月、世界三大映画祭の一角、フランスのカンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督の「万引き家族」が、最高賞にあたるパルムドールを受賞した。家族が生きていくため万引きせざるを得ない、貧しい庶民の生活を描いた傑作だ。

「万引き家族」の出演者と是枝監督(photo by GettyImages)

その翌年、2019年5月にカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したのは、今度は韓国映画の「パラサイト 半地下の家族」だった。名作「殺人の追憶」などで知られるポン・ジュノ監督が手がけた最新作で、やはり貧しい家族が主役のホームドラマだが、「万引き家族」と違うのは、貧困家庭と富裕家庭の対比をテーマにした点だ。

「パラサイト 半地下の家族」の出演者とポン・ジュノ監督(photo by GettyImages)

80万人以上が「半地下」で暮らす

主人公のギテク(ソン・ガンホ)とその家族は、映画のタイトルにもなっている「半地下」部屋で暮らしている。半地下とは、文字通り、地上と地下の間に位置する空間で、韓国の宅地法によると、床から地表面までの高さが、部屋の高さの半分以上なら地下、半分未満であれば半地下と区分される。日本人には耳慣れない言葉だが、韓国人なら誰もが頷く「貧困家庭」の象徴である。

半地下の誕生は、北朝鮮と深い関係がある。1960年代半ばから北朝鮮の挑発がエスカレートし、韓国政府は住宅建築の際、地下層の設置を義務化した。有事の時には避難場所として使うためだ。

この避難場所だった地下空間が住居用として使われ始めたのは、1975年からだ。1960年代から始まった「圧縮成長」(異常なスピードで進められた経済成長)とともに、首都ソウルへの人口流入が本格化。急激な人口増加は住居の不足をもたらし、避難場所だった地下層が密かに住居として貸し出されるようになった。

結果、韓国政府は同年、住宅法を一部改正し、地下層を住居として使用することを認めた。そして、その際、地下層の劣悪な居住環境を少しでも改善するため、地表面の算定基準を緩和し、半分は地下に半分は地上にまたがる「半地下」という居住空間が生まれたのだ。

半地下は、現在の韓国社会において、貧困家庭が息をひそめて暮らす典型的な住居であり、韓国統計庁の2015年人口住宅総調査によると、約82万人が半地下で暮らしている。

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December 22, 2019 at 04:01AM
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