「テクノロジーが発達している時代だからこそ、手仕事がより一層重要に」
ユン(YOON)「AMBUSH®」デザイナー、「DIOR MEN」ジュエリーデザイナー
──例えば10年前に比べて、モード界はどのように変化していると思いますか?
ユン(以下Y) かつては主導権を握っているのは、白人や雑誌メディアと偏っていました。今は門戸が広がった感じがありますよね。人口割合的にはアジア人が世界で一番多いですし、ブラックカルチャーであるヒップホップが音楽界を牽引しています。マーケティングのためにダイバーシティを掲げている会社も多いですが、それが現実。今後、アジアンパワーがもっと強大になっていくと思うので、私自身も楽しみです。
中国の威力を感じたという、北京でのコンバースとのコラボローンチイベントの様子。
──そうしたアジアの勢いを実感することはありますか?
Y 中国は人口が多くて規模が違う。現地でもパワーを感じます。先日、コンバース(CONVERSE)とアンブッシュⓇ(AMBUSHⓇ)のコラボスニーカーを北京でもローンチしました。直前に私のインスタに情報を投稿しただけだったのですが、オンラインの予約受付開始後、たった30分で40万以上のアクセスがあったみたいで、とてもうれしかったです。
──日本はどうでしょうか。
Y 日本人には細かいこだわりがあってオタク気質なので、海外からのリスペクトはあると思います。それに対して、トレンドをとりあえず取り入れてみるという人が多い韓国などとは違い、オリジナリティを追求している国民性があると思います。でも、ファッションに関しては、色味やフォルムが無難で、どんどんコンサバになっている気がします。お金がないから長く着られるものを探しているからなのか……。海外の若い子たちのほうがもっと臆せずに派手な格好をしていますね。
──SNSの普及で、インフルエンサーも存在感を増していますが、彼らは今後も影響力を持ち続けるのでしょうか。
Y 誰が影響力を持つのかは時代によって変わると思いますが、「インフルエンサー」という存在はなくならないでしょうね。ブランドの戦略とは関係なく、自然と多くの人たちに影響を与えることができる人たちも出てきています。
──ご自身も多くのフォロワーがいますが、影響力についてはどのようにお考えですか?
Y 私は自分の活動を発信するためにインスタを使っています。もちろんPR担当は別にいますが、どこかを通すよりも私自身がシェアすることも大事だと思うので。今は、デザイナーを身近に感じたい、という若い消費者が増えているんです。
渋谷パルコ店オープンに合わせてローンチされた「アーティザナル」ライン。
──2014年頃には「ストリートブーム」も起こりました。今は落ち着きを見せているように感じますが、アンブッシュⓇはその一つとして取り上げられていましたね。
Y トレンドが移り変わるペースが速くなっています。数年経れば皆飽きてしまいますから。アンブッシュⓇ(AMBUSHⓇ)はユニセックスで展開していてカジュアルなアイテムが多い。それでメディアが勝手に「ストリート」にカテゴライズした気がします。私たちはやりたいことを形にしているだけなので、「ストリート」とは言いたくない。モード系メディアが、デムナ・ヴァザリアやヴァージル・アブローの登場で、デニムやスニーカーといったスタイルだけを見て「ストリート」と名付けてしまったのではないでしょうか。
──ユンさんは一方で、ラグジュアリーブランドの世界にも関わっていらっしゃいます。その今後について思うことはありますか?
Y テクノロジーが躍進的に発達している中で、人間の手から生まれる美こそがより一層大事になってくると思います。機械を使用するのは悪いことではありませんが、まだ手仕事のクオリティにはかないません。ですから、クチュールハウスが誇る職人たちの技術がちゃんと若い世代に受け継がれているのかが心配です。職人は、何十年も同じことを繰り返し、技術を完璧にしていくもの。流行りに飛びつくことが多い移り気な若者たちがこうした仕事に関心を持てるのかどうか……。
──手仕事には時間も要します。
Y 商品をドロップするサイクルがどんどん速くなっているので、そのペースに合わないこともネックになっています。若手のブランドでも、SNSでやりたいことを発信できる時代。業界の風潮に迎合するより、自分のペースを守リ、メッセージを強く打ち出すブランドが出てくるのを期待しています。
──アンブッシュⓇでは今後どのようなことを考えていますか?
Y コレクションラインは業界のスケジュールに合わせざるを得ませんが、それとは関係なく作りたいものを自分たちのペースで形にする「アーティザナル」ラインをスタートさせました。日本の技術や素材を生かしつつ、楽しくものづくりをする、私たちの遊び場のようなラインなんです。ぜひお店でじっくり見ていただきたいです。
Illustration: Hitoshi Kuroki at vision track Text: Itoi Kuriyama Editors: Maki Hashida, Sakura Karugane
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January 08, 2020 at 08:29AM
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