豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー(以下、トヨタL&F)は2020年2月7日、都内でスマート物流戦略について発表するとともに、自動運転フォークリフト(AGF)や無人搬送車(AGV)のデモを行った。
労働力減少が深刻化する物流をAIやIoTで高度化
日本では人口減少局面にあることから、あらゆる業界での労働力不足の影響が大きくなっている。その中でも物流業界は深刻な状況にある。労働力を増やせないにもかかわらず、eコマースの進展により仕事量の総量が増加しているだけでなく、配送の小口化やスピード化など複雑で高度な配送が求められているからだ。
こうした過酷な物流業界の状況を改善するために注目を集めているのが「スマート物流」である。政府が戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)として推進する動きなどもあり、トヨタL&Fでもスマート物流ソリューションの展開や、これらを構成する機器の展開に力を入れている。
トヨタL&F プレジデントの水野陽二郎氏は「豊田自動織機では創業以来培ってきた『カイゼン』の文化とトヨタ生産物流方式を生かし、サプライチェーン全体でのスマート物流の実現に取り組む。オープンイノベーションで他社の力も使いながらこれらのソリューションを形にしていく」と語っている。
「誰でもどこでも必要な時に必要なモノ・サービスが受け取れる」をコンセプトとする。AIによって統合管理された無人化スマートロジスティクスの実現を目指し、これらを実現する物流機器の知能化やシステム化に取り組む方針を示す。
これを実現するための技術開発の方向性として打ち出すのが「CASE戦略」である。「CASE」は自動車業界における「コネクテッド、自動運転、シェアード、電動化」などの変革の動きを示した言葉だが、同様の変革が物流業界や倉庫内のソリューションでも起こるとする。
トヨタL&F R&Dセンター センター長の一条恒氏は「自動車業界におけるCASEによる変化と同様の動きが物流業界でも起こる。フォークリフトでも電動化などを含めた個々の製品力強化を進めていく一方で、知能化による自動化、自律化を進めていく。さらにコネクテッド化やシステム化によりソリューションやサービスとして一体で提供できるようにしていく」と語っている。
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