
人に化ける妖怪「猫又」
――著書の『猫君』は、花のお江戸で猫たちが冒険を繰り広げるファンタジー小説。猫は猫でも、主役は妖怪になった「猫又」。妖怪になりたての新米猫又が修業をして成長していく物語です。
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この小説は、散歩の途中に発想したものなんです。私は、北の丸公園を通り、旧江戸城跡(皇居東御苑)を抜けて大手町まで行くコースをよく散歩するんです。歩きながら、「あ、ここに学校があったら面白い。妖の学校を開こう!」と思ったのが物語のきっかけ。妖が広い天守閣内を駆け巡ったり、富士見櫓で勉強したりしたら楽しいじゃないですか。
学校に入る妖であるなら、それは人に化けられるものでなくてはなりません。ならば猫か、狐か、河童か……いちばん馴染みがある猫にしよう、猫又でいこうと決めました。
『しゃばけ』シリーズにも、猫又の「おしろ」というキャラクターが一匹登場しています。伝承としての猫又は、20年生きた猫がなると言われています。人の言葉が分かるようになって会話ができるようになり、シッポが二叉に分かれます。もちろん人にも化けられるようになって。
実際の伝承では東海道の戸塚にいた猫又が有名なんです。そこで残っている言い伝えは「主人の手ぬぐいを一本かすめ取ろうとしたけど持ってはいけなかった」というもの。他にも祟りなどとは無関係な話が多く、どこか愛嬌があるのが猫又なんです。
――本書にはたくさんの猫又が登場します。主人公のみかんは茶虎のオス猫でやんちゃ。相棒のぽん太はふわふわ茶毛のおっとりクンで、吉原生まれの白花は白毛のしっかり娘。各猫又の性格が個性的で、彼らが生き生き動くのがとても愉快です。
猫は大好きですけれど、飼っているわけではないんです。身近に接した経験や本、TV、ネットの情報からじっくり考えて猫種や毛色、性格と特徴を設定していきました。
みかんの場合は、吉原の髪結いのお香に飼われていた金目銀目(オッドアイ、縁起がいいと言われる)です。生後20年が近づいてくると不思議に若返ってきて、お香の死とともに「猫又一年生」になる。みかんは新たな猫生の始まりと同時に猫又の仲間入りをします。
猫又学校の「猫宿」には、みかんと同じような新米が各陣から入学してくるんですね。江戸には猫又の陣地が6つあって、長らくひそかに「陣取り合戦」が繰り広げられてきた裏歴史があるという設定になります。
20匹ほどの新米猫又、先輩猫又や先生たちの名前や毛色や性格、陣地の見取り図、猫宿の学業時間割りといった基本の設定は、書き始める前に考えました。
仕事部屋の壁に江戸の古地図や年表を貼っているのですが、それらを眺めながら猫のことをあれこれ考えるのは楽しかったですね。いつもの散歩をして「寄宿舎は富士見櫓か」などと発想を広げながら物語を作っていきました。
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April 04, 2020 at 09:01AM
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