本国フランスで公開されるや否や、熱い支持を受け動員数200万人を突破。セザール賞では9部門にノミネートされ、スペインのサンセバスチャン国際映画祭では過去最高得点で観客賞に輝くなど、ヨーロッパ各国で熱狂的に愛された本作。
主人公は、実在するふたりの男たち。1994年、自閉症の子どもたちやドロップアウトした若者の社会参加を支援する団体と出会ったトレダノ&ナカシュ両監督は、携わる人々から湧き出る活力やにじみ出る人間性に深く感動、当時まだ駆け出し監督だったが、必ず彼らを映画化すると心に誓い、その後約25年の時を経てようやく実現にこぎつけた。
ナカシュは「この出会いがきっかけで、僕らのハンディキャップやノーマライゼーションに対する関心は強くなっていった。そこから『最強のふたり』も生まれたんだ」と語っている。
自閉症児をケアする施設「正義の家」を切り盛りする主人公のひとり、ブリュノを演じるのは『ブラック・スワン』から海外ドラマ「ウエストワールド」まで、ハリウッドでも活躍するフランス映画界きっての演技派俳優ヴァンサン・カッセル。ギャングや犯罪者など強面の印象の強いカッセルだが、本作では政府や社会から理解を得るため、見返りを求めず奮闘するケア施設の代表を見事に演じきった。
共演には、『永遠のジャンゴ』で主演を務め、ジャック・オーディアールやヴィム・ヴェンダースの作品で活躍するレダ・カテブ。そして、当事者の日常や問題に寄り添うような演出を目指した両監督は、本物の介護者や自閉症の若者、その家族たちを多数キャスティングしている。
この度解禁された予告編では、課題を抱えながらも和気あいあいとしたケア施設での様子ややり取りが、ユーモアと爽快感あふれるタッチで描かれている。ところが、四角四面な厚生省の無理解により閉鎖が示唆され、問題が一気に露わになり――。施設はこのまま閉鎖に追い込まれてしまうのか? 25年間、施設や当事者たちと歩みを共にしてきた両監督が、彼らの見せる笑顔、涙、そして怒りを同じ目線で丹念に捉えた映像に、強く心が揺さぶられる。
また、ポスタービジュアルにはブリュノ(カッセル)とマリク(カテブ)の2ショットをメインに、「愛はどうだ!」のキャッチコピーと前を見据えた2人の笑顔。どんなに困難な状況でも共に理解し寄り添うことで切り開かれる未来を示唆しているかのよう。
人と人のつながりが分断され、様々な価値観が再構築されようとしているこの時代に、我々の胸に優しい衝動を呼び覚ます1本となりそうだ。
『スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』は9月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。
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June 25, 2020 at 04:30PM
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