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「思い返せば一瞬だった」 犠牲アニメーターの夫―京アニ放火事件3年 - 時事通信ニュース

2022年07月18日07時07分

インタビューに応じる京アニ事件で亡くなったアニメーター池田晶子(本名・寺脇晶子)さんの夫・寺脇譲さん=7月、京都府宇治市

インタビューに応じる京アニ事件で亡くなったアニメーター池田晶子(本名・寺脇晶子)さんの夫・寺脇譲さん=7月、京都府宇治市

 京都アニメーション放火殺人事件の発生から18日で3年となるのを前に、亡くなったアニメーターの池田晶子(本名・寺脇晶子)さん=当時(44)=の夫・寺脇譲さん(49)が取材に応じた。事件後の日々について「思い返せば一瞬だった」と振り返り、母を失った息子のために「一日一日を精いっぱい頑張りたい」と話した。

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 「これからどうしたらいいのか」。妻の晶子さんが亡くなったと聞いた時、寺脇さんが一番に考えたのは小学生だった息子の将来だった。死を告げると、息子は泣きもせず黙って聞いていたが、その後、学校に行きたがらず、周囲とも話さなくなった。
 事件後、寺脇さんは息子にどう前を向かせるかばかりを考えていた。「ママがいなくてもできることはある。いろんなことをパパと一緒にやっていこう」。声を掛け続けると、次第に息子は家事を積極的に手伝うようになり、医者になるという夢もできた。寺脇さんは「親として一安心した」と明かす。
 晶子さんは、京アニの主要作品「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」や「響け!ユーフォニアム」のキャラクターデザインを手掛け、高い評価を得ていた。事件後、国内外から寄せられた義援金は、府を通じて遺族に分配された。寺脇さんは生活資金として使わず、息子が大きくなった時に「これママのお金やで」と渡す予定にしている。
 寺脇さんは事件のことは極力気にせず、息子と共に前を向いて生きることを重視してきたという。「きょうを頑張って、その日に次の日のことを考えている。一日一日が別物のように感じる」と話す。
 ただ、晶子さんへの思いは今も変わっていない。6月に誕生日を迎えた晶子さんのために、色とりどりの花を仏壇に供えた。まだ納骨はしていない。「子どもをきちっと育てることが供養になる」と遺影に語り掛けた。

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