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「過去最強」台風14号に世界遺産も備え、丸太を立てかけ補強…農園は落果対策 - 読売新聞オンライン

 過去最強クラスの台風14号は18日、勢力を保ったまま鹿児島市付近に上陸した。九州南部を中心に暴風や大雨に見舞われ、建物損壊などの被害や、けが人が相次いだ。台風は19日以降、列島を縦断する見通しで、各地で警戒が続いている。

 台風が19日午後にも最接近する中四国では、観光地や農家が対応に追われた。

 広島県 廿日市はつかいち 市の宮島にある世界遺産・厳島神社では、職員らが暴風や高潮に備えて建物の外壁に丸太を立てかけて補強。近くの土産物店「厳島劇場」は、予定より早く営業を切り上げ、入り口に浸水対策のシートを張り、土のうを積んだ。店長の岡本恵一さん(65)は「秋の行楽シーズン前に大きな被害が出ないように」と願っていた。

 二十世紀梨を栽培する鳥取市の観光農園「西尾園」では、落果被害を少しでも減らそうと、普段の倍以上の約1500個を収穫。それでも約7000個が残り、園主の西尾祥幸さん(53)は「今月上旬の台風11号でも200~300個が落ちた。またたくさん落ちないか心配だ」と表情を曇らせた。

 自治体や鉄道会社なども備えを進めている。

 徳島県美波町や高知県宿毛市、同県佐川町などは18日午後8時現在、全域に避難指示を発令。避難所を開設するなどしている。

 岡山県は19日午前8時をめどに「特別警戒体制」を敷く。2018年の西日本豪雨の際、県庁内では倉敷市 真備まび 町で浸水した病院についての情報共有が不十分で、救援物資を送るのが遅れた。この教訓を踏まえ、危機管理や保健福祉、土木など各部門の担当者が県庁内の同じ会議室に詰めて情報共有し、迅速な対応を図る。

 JR西日本の近畿の在来線各線は19日午前から特急を運休。特急以外はおおむね昼以降に本数の減少や運休の予定だ。船便は、大阪や神戸と九州を結ぶフェリー「さんふらわあ」や神戸、関西両空港間の高速船「ベイ・シャトル」がいずれも19日は全便欠航。近畿、中四国発着の航空便もすでに欠航が決まった便がある。

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