東北電力が再稼働を目指す女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機を巡り、重大事故が起きた際の広域避難計画に実効性がないとして、原発から30キロ圏内に住む石巻市民17人が東北電に原発の運転差し止めを求めた訴訟の判決が24日、仙台地裁であり、斉藤充洋裁判長は原告側の訴えを棄却した。
今回の裁判は原発そのものの安全性ではなく、避難計画の不備だけに争点を絞って再稼働の可否を問う初めてのケースだった。原告側は、避難の理由となる重大事故発生の危険性を立証せずに争ってきており、斉藤裁判長は「具体的な危険を前提とすることができないため、避難計画の実効性に関する個別の争点を判断するまでもなく、請求棄却と判断した」と述べた。
石巻市が作成し、宮城県が関与する避難計画では、県が30キロ圏の境界付近に放射線量の検査所を開設。県が320人、東北電は600人を派遣して圏外に避難する住民の放射性物質の付着をチェックし、基準値を超えた場合は簡易除染を行うなどとしている。
原告側は、避難指示が出れば避難者の車で渋滞し、検査所の迅速な開設はできないため、住民の避難が遅れると主張。「避難計画に実効性はなく、絵に描いた餅だ」などと訴えてきた。
東北電は「避難計画は国に了承され、常に見直しも行われる。改善点があるとしても直ちに実効性がないとは言えない」などと反論し、請求棄却を求めていた。
女川原発は東日本大震災で全3基が停止。2号機は2020年2月に安全審査に合格し、20年11月に宮城県知事らが再稼働に同意した。2号機の安全対策工事は今年11月にも完了する見通しで、東北電は24年2月に、東北の被災地にある原発としては初となる再稼働を目指している。
from 日本 - 最新 - Google ニュース https://ift.tt/aEwt9p3
via IFTTT
Bagikan Berita Ini
0 Response to "女川原発再稼働差し止め訴訟、原告の請求を棄却…仙台地裁 - 読売新聞オンライン"
Post a Comment