任期満了に伴う青森県知事選で初当選した宮下宗一郎氏(44)が29日、県政史上最年少で知事に就任した。東北の新知事就任は2014年の内堀雅雄福島県知事以来、約9年ぶり。宮下知事は初登庁し、人口減少や雇用創出など山積する課題の解決に向け「県民の暮らしが向上するように取り組んでいく」と語った。
県庁に到着した宮下知事は多くの職員や県議、支援者らに出迎えられ、花束を受け取った。幹部職員への訓示では「困っている県民を助け、頑張っている県民を応援し続ければ、必ずよい青森県になる。より信頼される県庁を目指し、みんなで頑張っていきたい」と呼びかけた。
宮下知事は青森県むつ市出身、東北大卒。国土交通省、外務省勤務を経て、父の元むつ市長死去に伴う2014年の市長選で初当選。3期目途中の今年3月に辞職。今月4日投開票の知事選では40万4358票を獲得した。
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知事「県庁大改革」に意欲 風通しの良い組織目指す
29日に就任した宮下宗一郎青森県知事(44)は、県庁で初めての記者会見に臨んだ。「いよいよ青森新時代の幕開けだ」と切り出すと、県庁内の組織編成などを抜本的に見直す「県庁大改革」を表明。「真っ白なキャンバスに絵を描くように、ゼロから新しい県政を進めていきたい」と抱負を語った。
宮下知事は県庁大改革に関し「時代の流れが大きく変わる中で(県庁の)組織には変化がなかった。県民目線で仕事ができ、風通しのいい県庁にしたい」と説明した。
「よくトップダウンかボトムアップかといった二項対立で考えがちだが、今はそういう時代じゃない。県職員一人一人が、抱える課題をぶつけ合う環境ができれば、いい政策が作れる」と強調した。
物価高騰対策については7月中をめどに対策本部を設置し、協議を開始する方針。人口減少・少子化対策は、要因を分析して政策立案につなげる新組織「青森こども未来県民会議」の発足に向け、人選を進める。
知事選で展開した県民との対話型集会を知事就任後も重ねる考え。「県民との対話の中から新しい政策のヒントを得て、県政を改革していく」と力を込めた。
災害対応は、県内の広範囲で甚大な被害が想定される日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震と、津波への備えを急ぎ、沿岸部に防災施設を設置していく。むつ市長時代から迅速な災害対応に徹しており「知事が最前線に立ち、現場の対応をスピーディーに進めることが要諦だと思う」と話した。
記者会見の最後に「改革や変化には時間がかかる場面があるかもしれない」と語った宮下知事。「県民一人一人が県政について考え始めた時、新時代の扉が開く音が聞こえてくる」と述べ、県民が一丸となり進めていく改革を呼びかけた。
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会派や党を超えてうまく連携を 一問一答
記者会見の主なやりとりは次の通り。
-物価高騰や子育て支援には積極的な財政出動が必要とされる。県の財政政策を転換する考えはあるか。
「地方財政には経営の目線が必要。従来の方針を引き継いでいきたい。一方で、県民経済に県財政がどう貢献するかも同時に考えなければならない。予算か決算、どちらの時点の収支均衡にこだわるのか、よく考えて判断していく」
-「青森を世界のフードバレーにする」という公約の展望と、三村申吾前知事の「攻めの農林水産業」との違いは。
「農家や漁師ら1次産業従事者の所得向上を重視したい。販路拡大、生産額や輸出額の向上はその先にある。結果的に生産額や輸出額が伸びて、販売網が多様化し、農家の所得が上がるというシナリオは(前県政と)同じかもしれないが、視点を生産者に向けている違いはあると思う」
-歴代知事は国から「青森を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしない」との確約を取ってきた。
「私自身も歴代知事の考えを踏襲する。むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設を巡る課題に関しても、市長時代に申し上げたスタンスと何ら変わらない」
-県議会、特に最大会派の自民党との向き合い方は。
「県議は一人一人が県民の代表。しっかり議論を重ね、青森県を前進、発展させたい。会派や党を超えてうまく連携できればいい」
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