廃車になった陸上自衛隊の高機動車が売り払い後に流出した問題について、防衛省が15日に公表した調査結果は、海外に相当数が流出した可能性をうかがわせるものだった。同省は新しい転売防止策をまとめ、不適切な取引を許さない方針を強調した。しかし、肝心の転売業者の特定は消化不良のまま調査は終了。全容の解明は果たされずに、問題の幕引きが図られた格好だ。(丸山一樹、河津佑哉)
「防衛省としての調査は、これが限界だ」。調査を主に行った防衛装備庁の担当者はこう釈明した。
調査は、売り払い入札に関わった約90業者への聞き取りのほか、流出が疑われるフィリピンでの現地調査にも及んだ。同国では高機動車などの自衛隊車両が販売され、さらに日本へ逆輸入、車両登録されたケースを発見。本紙は今秋にこれらと同様の事例を報じていた。
ただ、明らかに不適切な転売、海外流出を示す実例を見つけた一方で、転売を認めた落札業者はいなかったという。
調査では、転売したかの確認は業者自らの「申告」に委ねられた。証拠も十分に集められず、担当者は「契約の相手方である落札業者が協力的でないと、転売先の追跡が難しい。その点で弱い調査だった」と認めた。
入札の規定で、落札業者は鉄くずにした証拠写真を提出するが、調査では写真を使い回したケースも確認した。また、現行の法制度では売り払い後の高機動車の輸出や逆輸入、車両登録を止めるのが困難なことも流出の一因に挙げた。
来年1月からはボディーなどの解体作業を自衛隊施設内で行い、業者の作業場にも隊員が立ち会うなどして再発を防ぐという。他省庁との連携強化も掲げたが、具体的な説明はなかった。
防衛装備庁は今回、来年度に計画していた東南アジアを念頭にした調査を前倒しして行ったことで、一連の調査を終える方針だ。担当者は「再発防止策をまとめるのに十分な事例が把握できたと考えている」と話した。
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