6日、茨城県の役場など2か所に相次いで車が突っ込んだ事件で逮捕された53歳の容疑者と同じ名前の人物が、1999年に東海村で起きた臨界事故で「健康被害を受けた」と会社に複数回訴えたものの補償は認められなかったことがわかりました。
警察は村に恨みを募らせた理由にこうした経緯が影響した可能性もあるとみて調べることにしています。
6日午後1時前、茨城県日立市の市役所前の広場に車が突っ込んで3人が重軽傷を負ったほか、およそ30分後には東海村役場の正面玄関にも乗用車が突っ込みました。
東海村の事件で日立市の益子泰容疑者(53)が建造物損壊の疑いで逮捕され、8日検察に送られました。
警察によりますと調べに対し容疑を認め「2件とも自分がやった。東海村役場と日立市役所に恨みがあった」などと供述しているということで、警察は8日容疑者の自宅を捜索しました。
東海村では1999年に核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」で核分裂反応が連続して起きる「臨界」が発生して作業員2人が死亡し周辺の住民など600人以上が被ばくした事故が起きていて、会社によりますと容疑者と同じ名前の人物が数年前、「臨界事故で健康被害を受けた」と複数回経済的な補償を求めてきたものの補償は認められなかったということです。
警察は容疑者が村に恨みを募らせた理由にこうした経緯が影響した可能性もあるとみて調べることにしています。
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