大学入学共通テストが13日から、2日間の日程で始まる。全国668会場で約49万人が受験予定だ。能登半島地震の余震が続く石川県では12日、被災地の受験生が試験会場のある金沢市などに到着。会場の各大学は、試験中に地震が起きた場合も想定して受験生を迎え入れる。
県立輪島高校(輪島市)は、共通テストを受験する3年生向けにバスを用意した。この日朝、出発式が開かれ、平野敏校長らの激励を受けて出発。能登半島とを結ぶ道路の交通規制のため、通常の倍の4時間をかけて金沢学院大(金沢市)に着き、約20人が試験会場を下見した。
女子高生(18)は元日の地震後、自宅の後片付けに追われ、試験勉強を数日間中断。再開後も停電が続き、夜は手鏡に付いたライトで教材を照らしながら追い込みを図った。浅野さんは地震後を振り返り、「最初は生きることだけを考えた。今はとにかく、『被災していない人にも負けないぞ』という気持ち」と話した。
この日は、県立飯田高校(珠洲市)の3年生もバスで金沢市に入り、試験会場を下見した。
石川県では、7大学8会場で共通テストが実施され、計5229人が受験予定だ。地震後、各大学は安全対策を練ってきた。
県立看護大(かほく市)は11日、試験監督を務める教職員らの会議を開き、試験中に地震が起きた際の中断基準や避難誘導などの対応を確認した。金沢工業大(野々市市)も試験監督を集めて、地震発生時の対応を協議。試験を一時止めた場合、教室ごとに再開までの時間を計り、中断した時間を適切に延長することを徹底するという。
金沢工業大の担当者は「余震があっても入試の公平・公正を確保する上で重要なポイントだ」と話す。
大学入試センターによると、試験中に緊急地震速報が発表された場合、会場を運営する大学は試験を一時中断し、各教室にスピーカーなどで知らせる。試験監督は受験生に、机の下に身を隠すことなどを指示。揺れが収まって安全を確認できれば試験を再開するが、確認できない場合は試験を中止し、追試験(27、28日)と同じ日程・問題で行う再試験を受けられるようにする。
気象庁によると、13日は冬型の気圧配置となる影響で日本海側は荒天となり、石川県能登地方を含む北陸から北海道は雪で、ふぶくところもあると予想されている。関東北部でも雪となる地域がある見通し。太平洋側は全国的に晴れる。
14日は高気圧に覆われ、西日本から東日本にかけての広い範囲で晴れる。北日本の太平洋側は曇り、日本海側は雪が降る見込み。
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