東京都足立区の民家に住人夫婦の遺体を遺棄したとして、警視庁は19日、フィリピン国籍の職業不詳モラレス・ヘイゼルアン容疑者(30)(足立区千住龍田町)を死体遺棄容疑で逮捕した。モラレス容疑者は夫婦の長男(31)の元交際相手で、長男は「貸した金を巡ってトラブルになっていた」と説明しているといい、警視庁が詳しい経緯を調べている。
発表によると、モラレス容疑者は今月16日頃、足立区千住緑町の自営業高橋徳弘さん(55)宅に、高橋さんと妻希美江さん(52)の遺体を遺棄した疑い。調べに対し、「私は知りません」と容疑を否認している。
捜査関係者によると、長男は以前、交際相手だったモラレス容疑者に数十万円を貸していたが、返済を巡りトラブルになっていた。昨年秋、モラレス容疑者との金銭問題について、千住署に相談していたという。
モラレス容疑者は、高橋さん夫婦とも数年前から面識があり、現場周辺の防犯カメラなどから関与が浮上。警視庁が行方を追い、福島県内のホテルで発見して身柄を確保した。
事件は16日午後8時50分頃、長男が「仕事から帰宅したら両親がいない。床に血痕がある」と110番して発覚。18日の現場検証で、1階洗面所にある床下収納の下から、全身がシートにくるまれた状態の高橋さん夫婦の遺体が見つかった。
2人の遺体には上半身を中心に多数の刺し傷があった。司法解剖の結果、いずれも左胸の刺し傷が致命傷だった。
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