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羽田管制官「海保機の進入気づかず」 日航機衝突、国交省聴取に - 毎日新聞

事故で大破した海上保安庁の航空機の破片を集める関係者ら=羽田空港で2024年1月4日午後7時23分、藤井達也撮影 拡大
事故で大破した海上保安庁の航空機の破片を集める関係者ら=羽田空港で2024年1月4日午後7時23分、藤井達也撮影

 羽田空港(東京都大田区)の滑走路で日本航空(JAL)機と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、この滑走路を担当する管制官らが国土交通省の聞き取りに「海保機の滑走路への進入に気づかなかった」と説明していることが関係者への取材で判明した。管制には地上の航空機の位置を知らせるレーダー情報があるが生かせず、JAL機への着陸やり直しの指示や、海保機への警告を出せなかったとみられる。運輸安全委員会や警視庁が詳しい経緯を調べている。

 事故があったのは、羽田に4本あるうちのC滑走路。1本ごとに管制官と誘導路担当が通常1人ずついるほか、補佐役の複数の管制官がおり、管制塔では約15人体制で対応している。

 国交省が公表した交信記録によると、C滑走路を担当する管制官は2日午後5時44分にJAL機に着陸許可を出した。同45分には海保機に「滑走路停止位置まで地上走行してください」と指示し、海保機側も復唱。その後、同47分ごろに衝突するまで管制官と両機との交信はなく管制官は別の機体とやり取りしていた。

 羽田には地上の航空機の位置を探知するレーダーがある。管制官は目視による状況確認に加え、レーダー情報を表示したモニター画面を見て、機体の位置を把握する。しかし、関係者によると、管制官らは海保機が停止位置を越えて滑走路に入ったことに気づかなかったという。このため、両機への緊急措置を取ることができなかった。同省関係者は「管制官が機体の位置を常時把握するという規則はないが、安全監視が主な業務である以上、管制官の対応は原因調査のポイントの一つになる」と話す。

 運輸安全委は4日、JAL機乗員への聞き取りを始めた。パイロットは「滑走路への進入中に海保機を視認できなかった。衝突直前に一瞬何かが見えたという認識、違和感があった」と同社に説明しているという。一方、海保機機長は「許可を得て滑走路に進入した」と海保に話しているが、管制官からの指示を取り違えた可能性が出ている。

 警視庁東京空港署捜査本部は業務上過失致死傷容疑も視野に調べており、4日も前日に引き続きC滑走路で現場検証を実施した。JAL機でけがをした乗客の一部への聴取を始め、海保機機長からも入院先で話を聴いている。今後、管制官との交信内容を確認するなどし、事故の経緯を詳しく調べる。捜査本部によると、3日の検証では滑走路の撮影や両機の位置関係の計測に加え、JAL機の機体を調べた。4日は海保機の機体を調べるなどした。

 事故では、海保機の乗員6人のうち機長を除く5人が死亡。JAL機の乗客乗員379人はいずれも脱出したが、十数人がけがをした。【内橋寿明、木原真希、木下翔太郎】

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