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松居大悟・目次立樹 オリンピック選手選考の光と影を切なく描く - カンフェティ

活動11年目に突入した劇団ゴジゲンの最新作は、東京オリンピック・パラリンピックを舞台にオリンピックの追加種目にエントリーされながらも選ばれなかった種目と選手の人間ドラマを描く。脚本・演出の松居大悟と本作の主演でゴジゲン作品全作皆勤の目次立樹に話を聞いた。

インタビュー写真

僕は選ばれなかった人達の方が気になって

――― 2018年は10周年企画など手応えがあったと思いますが、2019年はどんな年でしたか?

松居「ゴジゲン的には去年、毎月会ってイベントをやったり稽古をしたりしていましたが、今年はそれぞれの活動をしていました。復活してからは割と『やる時はやる』というスタンスだったので11年目だから『気持ちを新たに頑張るぞー』みたいなことはなくマイペースでね」

――― ゴジゲンとしては久しぶりの公演となりますね。

松居「そうですね、死生観をテーマにしたり、前回が愛をテーマにしていて今回なんだろうと思ったら東京オリンピックしかないかなと。ゴジゲンが全員30代で、次に東京オリンピックがあったとしても選手の年齢ではないだろうと思ったので扱うことにしました」

――― なぜポポリンピックというタイトルになったのでしょう? どんなお話になりそうですか? 

松居「オリンピックは選ばれた人達の中の選ばれた人の祭典というイメージがありますが、日本人全員が2020年に東京オリンピック開催だと知っている事実があって、関りはないけれど自分たちなりのオリンピックってなんだろうと思ったら、僕は選ばれなかった人達の方が気になったんです。選ばれた人達のドキュメンタリーや金メダルの争いというよりも、たどり着けなかった人たちはどういう気持ちで見るんだろう、という方に興味が向いて。

そんな時、オリンピック・パラリンピックでもない違う概念を作らなければなと考えていたら“オ”と“パ”を混ぜたら“ポ”になることに気が付いたんです。濁音と破裂音が好きでタイトルの“ポポリンピック”になりました」

インタビュー写真

落ちた理由が絵として映えるかどうか、若者に人気があるかどうか

――― 松居大悟特有の役の背景作りとして「自分史」というリサーチから始まる。演じる俳優の背景を紐解き、役に落としこむために必要なプロフィールを作る作業だ。目次と向き合った松居は何を感じたのだろうか。

目次「僕はお話の中心人物ポポを演じます。(松居氏から)設定を踏まえた上で自分史を作ってくれという連絡が来て今組み立てているところですね」

松居「『神社の奥のモンチャン』(2008,2011)の時に目次が真ん中で、ピンはそれ以来なのでちゃんと話さないと、と思って呼び出して。16年の付き合いですが、目次は今どういう考え方をして役者をやっているのか、どんな時に幸せを感じるのかとか延々とカフェで聞きました」

目次「それがどう反映されるんだろう、楽しみですね」

松居「聞けば聞くほどわからなくなったけど(笑)」

――― チラシビジュアルから想像しますとマラソンランナー役など想像が膨らみます。

松居「東京オリンピックの最終追加種目として8種目が選ばれ、結果そこから5種目が採用されて。選考理由も、競技そのものの価値でないところで判断されて残酷ですよね。そんな東京オリンピックが決定した2013年から2020年までの人間ドラマを描いていきます」

インタビュー写真

――― それは切ないお話になりそうですね。

松居「そうですね、台本を詰めれば詰めるほど切なくなっていて、ぜんぜん笑いの要素がなくていま迷い中です。ゴジゲンのメンバーなので稽古で面白くしてもらおうと思いながら考えているところですがハンケチは必須です」

目次「来る途中もずっと見どころを考えていました。いま担当種目のフォームを研究しているところです。ポポはルールに縛られないキャラクターらしいので、色々な見せ方ができるのではと思っております」

松居「ポポの親友役には東迎昂史郎。目次と東という(ゴジゲン的には)器用じゃない方の2人を軸にどうなっていくのか、楽しみにしていてください」

僕たちで幸せの価値基準を選ばなくてどうする

――― 舞台はチームワークですが、ゴジゲンをスポーツの競技に例えると?チームと個人の実力が出るマラソンが近いですか?

目次「うーん、一緒に走っている感じもしますが、もっとパスが多い競技かもしれない」

松居「ハンドボールですね。つい先日ハンドボールの映画を撮ったんですが、バスケよりも泥臭いんですよ。バンバン相手とぶつかりながらパスをつないで投げる感じ。あいつがそこにいることがわかっているから見ずに投げられるし受け取れる。左45が目次ですよね、バレーでいうエース」

目次「エースだそうです!」

インタビュー写真

――― 年末から1月にかけてゴジゲン最多のツアーですね。

松居「それぞれの考え方ですが、僕は広げるつもりはないからこうやって回っています。大きな劇場にして東京に根ざしてやるとは別の意味の、できるだけフットワークを軽く、できるだけいろんな町の人達に見てもらって感想を聞いて作品を育てる方がいいなと思っていて。今回札幌は初めてで、最強(本折最強さとし)の地元が北海道なんです。いつかは全員の地元で上演することを目指していて、ちょっとずつ攻めています」

――― 最後に意気込みとメッセージをお願い致します。

目次「東京オリンピックにはいろいろ思うところもあるので、それをテーマにするのであれば、面白かったなで終わる作品にはしたくないですね。個人的な目標ですが、この作品で自分の中で前進したい部分もありまして、何もできない歯がゆさを抱えつつ観ていただけるお客様にも一息では飲み込めないインパクトをあたえたいです」

松居「何かに落ちたり選ばれなかった経験は誰しもあると思うんです。それに囚われたり落ち込んだりするけれども、それは他者の評価でしかなくて。“この時代に生きている僕たちが、僕たちで幸せの価値基準を選ばなくてどうする”ということを描いていけたら。ぜひ観に来てください」

(取材・文&撮影:谷中理音)

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December 02, 2019 at 09:05AM
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