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スプリングマン 四兄弟の絆と成長をシニカルに描く。 - 弁当屋の四兄弟 - カンフェティ

主宰の澁谷光平が、「圧倒的にリアルな台詞」、「日常をのぞき見する感覚」を信条に、濃密な人間関係と心の機微を描いてきた演劇ユニット、スプリングマンの人気代表作が生まれ変わって舞台に帰ってくる。世田谷の古ぼけた弁当屋を舞台に、四兄弟の濃密な人間関係と現代家族の些細な問題を突く本作は新たな物語を加え、俳優陣も一新。令和の新しい世代の『弁当屋の四兄弟』を構築する。メインキャストの日南田顕久、あきやまかおる、久保優二、関修人の4人に舞台への意気込みを聞いた。

インタビュー写真

結末はお客さんに想像してもらう

――― キャストが一新される中で、弁当屋の長男、源信秀役の日南田さん、そして3度目の出演となる従業員、春日役のあきやまさんにとって、この舞台はどんな作品ですか?

日南田「約3年ぶりの出演になりますが、スプリングマンの作品の中で2度も再演をする作品はなく、それだけの価値があるものだと思っています。澁谷さんの人の心を緻密に描くストーリーで、誰もが共感できる作品ですね。今回は世情を反映させたストーリーも加わり、キャストも8割が代わりましたので、ある意味、全く新しい作品だと思っています。僕は前回に続いて2度目の長男を演じますが、特に何も意識していないですね。結構、直感でやってしまうタイプなので、稽古しながら皆とその場でセッションできたらと考えていますが、またあの兄弟を演じられるのは楽しみです。

みんな何かしらの問題をかかえている家族の数日間を切り取った作品ですが、最後まで見ても何か答えを出すというものではありません。ドラマで言えば、シーズンの途中を描く感じで、その後の展開はどうなったんだろうなとお客さんに想像してもらう作品です。含みを持たせるというか。でも観る人によっては過去をえぐられるような作品かもしれません。それでも僕らは、観る人の心をちょっとでも動かす舞台を作りたいんです」

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あきやま「スプリングマンは2011年から今回で8度目の出演になります。弁当屋の従業員、春日役が、普段の自分の性格の延長線の様な役で、共演者からも『いつものまま』と言われるぐらい、澁谷さんが素の状態の自分にあて書きしてくれたのは新鮮でした。同じストーリーでも公演ごとに全く違うシーンに感じる作品なので、今回はどれだけ変わっているかが楽しみですね。今回初めて出演される俳優さんがいる一方で、久しぶりに共演する俳優さんもいるので、どんな化学反応が出来るか。脇役でもスプリングマンを分かっている個性豊かな俳優が集まっているので、まるでオールスターゲームですね(笑)

私も色んな作品に携わってきましたが、スプリングマンの作品は本当に特殊だと思います。別にヒーローが世界を救わないし、運命の出会いもないし、誰も殺されないけれども、恐らく皆さんの心にひっかかっている思い出や幸せな、または苦い記憶を思い出させる作品仕立てになっているので、心を動かされるのだと思います。本作は心を救われる作品ですし、初演、再演含め3度目の今公演に出演させていただけるのは幸せなことです。前回ご覧になった方も、初見の方も是非観て頂きたいです」

リアルを求めるユニット

――― 今回新キャストとなった、三男、源清朝役の関修人さん、四男、源瑠宇久役の久保優二さん、それぞれに本作にかける思いを教えてください。

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関「三男はアクティブなニートという設定ですが、僕自身、結構共感できる部分がありますね。できるならば自由に暮らしたいという思いが自分の根底にあるかもしれません。昔、小学校の卒アルで生まれ変わったら何になりたい?と質問に雲になりたいと書きました。その理由を思い返したら、ふわふわ浮いて、誰にも干渉されない。そこに魅力を感じたのかもしれませんね。それが今回の役と少し似ているのかなと。

僕の役はキーマンというのは聞いていまして、一番、兄弟全員に関わるそうです。三男はニートだけどもポジティブで、ニートであることに負い目を感じておらず、家族と対等に接することができる存在だと思っています。僕も3つ下に弟が1人いるのですが、弟以外の兄弟がいるという感覚がないので、上の兄がいるこの作品に出られることはとても楽しみですね。僕の中ではスプリングマンはリアルをもとめるユニットという印象があるので、この公演を通して本当の兄弟を体験できる機会になるのではと期待しています」

久保「再演の台本を拝見して驚いたのが、台詞自体が僕が今までやっていた芝居とまったく違ったことです。これまで出演した作品は漫画原作など独特の世界観が必要だったので、そのイメージを崩さずに、観客が現実に引き戻されない役作りをしていたのですが、今回の作品は日常が描かれているので、どれだけ自然に、わざとらしくなく観客に伝えることができるかが、作品自体のクオリティになると思っています。これを経験しないと自分も成長出来ないですし、良いチャンスだと思い出演させていただくことにしました。僕自身、家族もののお話が好きで、実際に三兄弟でもあるので、独特の兄弟の距離感や関係性を表現できたらと思っています」

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人の家を覗き見する感覚で来て欲しい

――― 読者の方にメッセージをお願いいたします。

日南田「吉祥寺シアターは結構広い舞台ですが、約8畳のセットでのお話なので、人の家を覗き見している感覚で楽しんでもらえればと思います。大きい劇場でどれだけ自然体の光景を見せられるかが腕の見せ所ですね。お客さんには肩肘張らずにこんな家族がいるんだと身近に感じてもらえたら嬉しいです。公演終盤は役者同士も家族のようになっているかもしれません」

関「いろんな舞台作品がある中での、この日常劇を観てもらうことによって、お客さんそれぞれの心に何か共感を持って帰ってもらえたら僕らとしては成功だと思っています。僕らも等身大の家族を演じますので、是非、その姿を覗き見しに来てください」

久保「描かれるのはあるひとつの家族なので、正解はないと思っています。お客さんも力いれずに、予想せずに一緒に畳の部屋にいる感覚で楽しんでください」

あきやま「小劇場で3回も同じ作品が再演されるのはごく稀なことで、それだけ自信があるとも言えます。本作では四兄弟の両親が回想シーンで描かれるのでそこも注目して欲しいですね。いままでのスプリングマンの作品をご覧になっている方も、初めての方にも心が温まるお芝居をお届けしますので、是非、劇場へお越しください」

(取材・文&撮影:小笠原大介)

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December 02, 2019 at 09:05AM
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