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<ふくしまの10年・見えない放射能を描く>(3)寂しさ残るグラウンド - 東京新聞

今もあの日のまま止まった町で

今もあの日のまま止まった町で

 双葉町内を流れる前田川沿いに福島県立双葉高校(休校中)はある。

 二〇一七年十一月、同町を回ったイラストレーターの鈴木邦弘さん(46)は、双葉高校にも立ち寄った。放置された校舎、部室、雑草の生えた校庭、野生動物の足跡。言いようのない寂しい感情がわき起こった。その中で、グラウンドの深緑色のスコアボードに描かれた白い文字に目がくぎ付けになった。

 「2011 春 42日 夏 124日」

 硬式野球部は夏の甲子園に三度出場した強豪だった。球児たちは春と夏の大会を見据え、練習に励んでいたのだろう。東京電力福島第一原発事故で全町避難を強いられ七年近くが過ぎていたが、息遣いが残っていた。鈴木さんは「あの日のまま止まっているんだ」と感じた。

 同校は原発事故後、県内四カ所の高校に間借りして授業を続けたが、一七年三月末で休校となった。

 やや救いだったのはグラウンドの放射線量が、毎時約〇・三マイクロシーベルトと低めだったこと。この日歩いた双葉の街は一〜四マイクロシーベルトの地点が多かった。鈴木さんは「除染土の仮置き場に使われ、後始末がしっかりされたのだろう。ただ、〇・三なんて数字は(さいたま市の)わが家周辺では目にしない。感覚が完全にまひしているな」と思った。

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