●熱烈鑑賞Netflix
Netflixオリジナル映画「ダンプリン」が面白い。ぽっちゃり女子の自分探しストーリーという側面だけではなく、隠れた名作と話題です。ネトフリ大好きライターがその魅力を紹介します。 今回妻から勧められた映画は「ダンプリン」である。ミスコンの映画なのだが、これが一筋縄でいかないというか、相当によくできた一本だった。現代においては何かと槍玉に挙げられがちなミスコンを、あげつらうでもなく全肯定するでもなく、絶妙な距離感で捉え直した作品である。
ぽっちゃり女子、母への当てこすりでミスコン出場
舞台となるのはテキサス州の小さな街。主人公ウィル・ディクソンは、かなり太めな体型のティーンエイジャーである。元ミスコン優勝者で多忙な生活を送る母ロージーに代わり、ウィルは幼い頃から叔母のルーシーに面倒を見られて育った。ウィル同様にふくよかな体型だったルーシーは、ウィルに歌手ドリー・パートンの魅力を教え、また後に親友となるエレンにも引き合わせてくれたが、若くしてこの世を去ってしまう。 母のロージーはウィルのことを「ダンプリン(「おデブちゃん」みたいなニュアンスのようだ)」と呼ぶが、ウィルはそれが気に入らない。体型にコンプレックスを持つウィルは事あるごとにロージーと衝突。また、ウィルの頭痛の種はロージーがいまだに元優勝者の審査員としてミスコンに関わっていることだった。そんなある日、ウィルは同級生のミリーが「デブ」とからかわれたことに憤慨。相手の男子の股間を蹴り飛ばして親を呼ばれてしまう。 問題を起こしたウィルに対し、ロージーは「叔母さんも自分の健康のために努力して痩せたなら、もっと長生きできたはず」と声を荒げてしまう。この世で最も信頼していた叔母をあげつらった母に対し、ウィルは激怒。おまけに叔母ルーシーの遺品の中から、下書きしたミスコンへの応募用紙を見つけてしまう。自信に満ちて見えた叔母ですら出場を考え、そしてためらっていたミスコンというものへの抗議、そして母に対する当てこすりもあって、ウィルは母も同席しているミスコンの審査受付に押しかける嫌がらせを実行。当然母親は自分の書類に出場許可のサインをしないだろうと思っていたウィルだが、ロージーは「特別扱いはしない」とサインをしてしまう。まともにミスコンに参加する気のなかったウィルは、いきなり出場することになってしまい大いに戸惑うが……。 アメリカでのミスコン熱は、それは凄まじいものだと聞く。1996年に発生し日本でも大きく報道されたジョンベネ殺害事件も、被害者のジョンベネ・パトリシア・ラムジーは美少女コンテストの常連優勝者だったし、アメリカにはミスコンという文化自体が根強く存在している(ミス・アメリカの初回開催は1921年で、すでに100年近い歴史があるのだ)。現在でも年間に開催されるミスコンの数は数千という単位で、一個落ちてもまたすぐ次に挑戦できるという状況らしい。 また、見た目だけではなく知性なども審査されるスカラーシップを目的としたミスコンも多数存在し、上位に入賞すると奨学金がもらえたり大学のオンラインコースが受講できたりするものも。特に「ダンプリン」の舞台になったテキサスのような南部でのミスコン熱は高く、幼少期から親が競って参加させるという。 なので、地元のミスコン優勝者はその土地のセレブとして扱われる。ウィルの母ロージーも完全にその口で、現在もいまだに地元のミスコンの予備審査や受付業務を仕切ったり、本番で使う曲を選定したりしつつ、「地域の恒例行事」に関わり続けている。予備審査の審査員を務めるのも、地元の美容院の社長やカーディーラーの店長など、土地の名士の皆様である。ミスコンはアメリカ人にとっては、「年に一度のおらが村の祭り」という側面もあるのだ。 そんな土地のそんな家に生まれてしまった、太めの女子。彼女の苦悩は想像するに余りある。母親と違って、体型も含めて自分のことを全肯定してくれた叔母への信頼も当然だ。母への反抗も兼ねてミスコンに出場したウィルの周りに集まってくるのは、デブと罵られても楽しそうにしているミリーや、ミスコンの本番で抗議をぶつけるつもりでいるフェミニストのハンナなど、どこかはみ出し気味な女子たち。彼女らは、自分たちよりずっと先に窮屈な暮らしからはみ出していた叔母ルーシーの跡を辿るように、人と違う生き方を選んだ人々が自分を表現する場所へと足を踏み入れていく。
"描く" - Google ニュース
July 30, 2020 at 09:13AM
https://ift.tt/3jZzIMm
槍玉に挙げられがちなミスコン。Netflix「ダンプリン」が描くぽっちゃり女子の挑戦(telling,) - Yahoo!ニュース
"描く" - Google ニュース
https://ift.tt/2q5JR3l
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "槍玉に挙げられがちなミスコン。Netflix「ダンプリン」が描くぽっちゃり女子の挑戦(telling,) - Yahoo!ニュース"
Post a Comment