J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC OF “WAVES”」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。7月10日(金)公開の映画『WAVES』の魅力をお届けする1週間限定コーナーだ。7月8日(水)のオンエアでは、映画『WAVES』の音楽の魅力を掘り下げた。
音楽が物語を伝えるプレイリストムービー
映画『WAVES』は、第89回アカデミー賞作品賞を受賞した『ムーンライト』のほか、『レディ・バード』『ヘレディタリー/継承』などを手掛けてきた映画制作会社A24による最新作。31歳のトレイ・エドワード・シュルツ監督が10年にも及ぶ構想を経て作り上げた作品だ。タイラーとエミリーという兄妹を主人公に、10代の恋愛、家族、青春とその挫折をテーマに、傷ついた若者たちの新たな一歩までを描いた希望の物語となっている。 物語もさることながら、映画『WAVES』は“プレイリスト映画”とも評されるほど、使用楽曲が充実していることでも話題となっている。シュルツ監督は、本編に使ったカニエ・ウェスト、ケンドリック・ラマー、レディオヘッド、タイラー・ザ・クリエイターの楽曲を含む31曲ものプレイリストを事前に作成し、そこから脚本を着想した。 サッシャ:すごくないですか? 音楽を並べていって、その音楽の内容から話を作っちゃった。しかも1曲だけじゃない。そして、すべての曲が登場人物の個性や感情に寄り添うように、曲を聴くと彼らの思いや状況がわかるようになっている。ときには音楽がセリフの代わりに登場人物の心の声を伝えてくれるんですよね。ナレーターが音楽みたいなニュアンスですかね。 増井:そうですね。ミュージカル映画とは違うんですね。 サッシャ:音楽がナレーターで、物語を伝えてくれるんですよ。まさに“プレイリストムービー”という新たなジャンルだと言ってもいいかもしれません。
映画を彩る豪華アーティストの楽曲たち
多くの豪華アーティストの楽曲が本編で使用されているが、フランク・オーシャンはもっとも多い5曲が起用された。 増井:ローリング・ストーン誌のインタビューで監督は「フランク・オーシャンの音楽はとてもパーソナルで、聴いていると彼自身の人生を体験している気持ちになる。しかもさまざまなレイヤーがあって、誰しもが彼に感情移入できる。ひとりひとりの魂に訴えかけるところに惹かれる」と答えています。フランク・オーシャンは、過去に5曲もの楽曲を映画に使用されたことはなく、説得するまでに何ヶ月月もかけたそうです。 カニエ・ウェストの『I Am A God』も、本編前半における重要なシーンで使用されている楽曲のひとつ。カニエ・ウェストは監督が昔から好きなアーティストのひとり。特にこの曲は、主人公タイラーの気持ちを表現しているだけでなく、カニエ精神がこの作品にあらゆる形で映し出されているという。 サッシャ:たとえばタイラーの部屋にカニエ・ウェストのアルバム『The Life Of Pablo』のポスターが貼ってあるんですが、このアルバムのテーマは「自分との戦い」。まさにタイラーが自分と向き合って戦っていく、繊細なシーンですね。 増井:葛藤があるんですよね。もうこの映画の音楽の魅力はこの時間じゃ語り尽くせないです。 サッシャ:3時間ください! 映画レビューサービス「Filmarks」による「2020年7月公開映画 期待度ランキング」で見事1位に輝いた映画『WAVES』は7月10日(金)から公開。本作と通じて、新たな映画体験・音楽体験をしてみては。 【番組情報】 番組名:『STEP ONE』 放送日時:月・火・水・木曜 9時-12時30分 放送局:J-WAVE(81.3FM)
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July 10, 2020 at 04:56PM
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