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【インタビュー】林青空、「ハイヒールシンデレラ」で描く強い女性像 - BARKS


大阪生まれ、ポップス育ち、座右の銘は「やりたいことは全部やる!」。スーパーパワフルな歌、頑張る女子の本音満載の楽曲をひっさげ、2月にアルバム『出航日和』でデビューを果たしたシンガーソングライター、その名は林青空。ただいま絶賛リリース中、1stシングル「ハイヒールシンデレラ」がテレビドラマ『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』のエンディングテーマに選ばれて、まさしく今が伸び盛りのニューカマー。ノッてる彼女をつかまえて、音楽のことや恋愛のことや夢のこと、いろんな話を聞いてみよう。

  ◆  ◆  ◆

■「自分の意志だぞ」という強さ

──アルバムデビューしてから半年たちました。いろんな意味で記憶に残る年になるというか、すでになっているというか。

林:2月の末のリリースでデビューやったんで、そこからずっと家にいる生活にはなってます(笑)。家でできることを今はやってるという感じになりますね。

──あとでまた触れますけども。今回の制作もリモートから始まったとか。

林:そうですね。貴重な経験になるのかな、あとから話すと面白い話になるのかな、と思いながらやってました。

──ということは、ライブは今年は全然やってない?

林:4月にワンマンのツアーがあったんですけど、中止になってしまって。今は配信ライブをぽつぽつやらせてもらってますけど、普通のライブはデビューしてからはないです。ライブが好きなので、早くやりたい気持ちはめちゃあります。ライブをしてないと忘れるというか、感覚って大事なんやなということを今すごい感じてて、もっと頻繁にやりたいな。

──青空さんって、アコースティックの弾き語りもやるし、バンドもやりますけど、もともとバンドの人ですよね。

林:学生時代にバンドを組んで、それは半年くらいでなくなって、ライブも1,2回しかしなくて自然消滅みたいな形になった時に、バンドでやった時に見てくれてたライブハウスの人が「ソロで歌ってみない?」と言ってくれはって。次にバンドを組む間のソロとしてやってみようかな、ぐらいの気持ちでやってみたら、ここまでずーっと一人でした(笑)。

──でも基本、バンドサウンドですよね。やってる音楽のスタイルは。

林:幼い時はテレビで流れている音楽ばっかり聴いてました。でも自分がライブハウスに出だした大学生の時に、インディーズの仲間のバンドの曲を聴くようになったら、生のバンドの音がどんどん好きになって、「自分もこういうライブがしたいな」という憧れが大きくなっていったんです。今ライブでバックバンドと一緒にできるのがすごい楽しいです。音源も、キラキラだけじゃなくかっこよく、バンドの音も聴いてほしい音源ばっかりです。

──ちなみに、誰が好きなんでしたっけ。

林:ギターを始めたきっかけはゆずさんで、たくさん聴いて練習しました。初めて聴いたバンドはBUMP OF CHICKENさんで、大好きです。そこからRADWIMPSさんを聴いたりとか、あとaikoさんはずっと好きです。関西の方やし、ライブもめちゃかっこいいし、憧れます。

▲林青空/「ハイヒールシンデレラ」

──そんな青空さんの1stシングルは「ハイヒールシンデレラ」。テレビドラマ『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』のエンディングテーマです。

林:こういう作品に楽曲を書きませんか?というお話で、台本一話と概要をいただいて。私は主人公のおしゃ子ちゃんに着目して、「おしゃ子ちゃんってこんな子なんじゃないかな、私とこういうところが似てるんじゃないかな」みたいなのを考えながら書きました。

──けっこうズバズバ、言いたいことを言っちゃう子でしょう。おしゃ子ちゃんて。

林:ふふふ。いいのか悪いのか(笑)。面白いです。

──どのへんが自分と似てますか。

林:私、スタッフさんから「頑固」って言われることが多いんです。音楽の面とか、どういうふうなライブがしたいという中身の部分で譲られへんポイントがいくつもあって、「自分を曲げられへん気持ち、わかるわー」というふうに共感しながら書きました。でも、サビの歌詞では、すべて正しいと思ってるわけじゃないっていう私の気持ちが見えてるところもあるのかな。これでいいんかな?とか、本当は私がおかしいんかな?みたいな、葛藤みたいな部分。おしゃ子ちゃんも同じ気持ちを持ってるかはわかんないですけど。

──“夢みていつまでいるの?ここに”とか、そのへんですね。ほかにも面白い表現がいっぱいあって、二番の“聖剣トング争奪戦”って何だろう?とか。

林:うふふ。二番は「女の子あるある」を入れてみました。私は合コンに行ったことがないんですけど、サラダを取り分けるときにトングが一個しかなかったら、それを誰が持つかってけっこう大事だという話を聞いて。

──何だそれ(笑)。よく気が付く人的な?

林:そうそう。それをアピールするためにみんな狙ってるんだぞということを、男子は知らない。そういう、女子は見えへんところで頑張ってるんだぞって言いたかった。あと、“魔法かける薄めのファンデーション”も、すっぴんがいいって言ってるけど、ちゃんとファンデーションは塗ってるんだぞっていうことですね。

──なるほどなあ。

林:面白いなあと思ってもらえたらうれしいな、という単語を選んでみました。

──それが、エンディングテーマに決定。うれしかったでしょう。

林:うれしかったです。初めての書き下ろしやったし、わりと短期間でやれるんやという自信にもなったし、いろんな曲の作り方をやってみたいなという次に向けての楽しみもできたし、楽しかったです。

──アレンジは亀田誠治。最初に触れましたけど、リモートで作業を進めていったとか。

林:はい。初対面がリモートで、その後のやりとりも画面越しでやってたんです。距離はあるけど、楽曲について気軽に相談できる時間があったので、この期間ならではの制作の仕方だなと思いました。些細なことでも直接亀田さんの顔を見て言いたいとか、そういうことも何度かありました。

──多忙な大御所をつかまえて。

林:うふふ。「僕のこと知ってますか?」って最初に言われて、知ってるに決まってるじゃないですか!って。本当に気さくな方で、私は話すのがじょうずではないんですけど、楽曲についてこう思っているということをたくさん聞いていただいて、曲に反映していただいて、想像を超える音になりました。歌詞も相談させてもらって、「ここの音が合ってるのが気持ちいいから、メロディと言葉の割り振りをこういうふうにトライしてみない?」とか、あとはイントロ、アウトロの長さを一緒に決めたりとか。細かいところまで一緒に作っていった感じになりました。

──サビで韻を踏んでいくのが、めちゃ気持ちいいです。

林:歌ってて楽しいんで、良かったと思います。

──そしてタイトルが「ハイヒールシンデレラ」。

林:タイトルは最後につけたんですけど、自分で何個か考えた中の一つで、一番気に入ってたやつです。おしゃ子ちゃんもそうやけど、この曲の主人公が終電で帰っちゃうところが、深夜0時に帰っちゃうシンデレラと重なるので。でも「帰らなきゃいけない」じゃなくて自分から帰ってるところに、「自分の意志だぞ」という強さを表現したくて、シンデレラのガラスの靴のようにもろい感じじゃなくて、強い女のイメージがあるハイヒールをくっつけてみました。高飛車とまではいかんけど、自分で立ってるぞという女の子を想像してもらえたらなと思います。

──ジャケットとアーティスト写真も、キリッとした表情でかっこいいです。

林:今回のビジュアルはめちゃくちゃ話し合いも重ねて、ポージングとか表情とか私からもいくつもアイディアを出させてもらって、こだわってできた作品です。自分自身が同じ女性アーティストで素敵だなと思う人を見る時に、かわいらしさもあるけどかっこいいところもあって、どっちも併せ持ってる人を素敵だなと思うことが多いんで。自分もそういうふうになりたいなあと思って、いろんな方の力を借りて、叶えてもらいました。うまくできてるかわかんないですけど、今までとはちょっと雰囲気変わったかな?と思います。

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