愛らしく日常描く イラスト集発行、伊達出身・佐藤ジュンコさん - 福島民友

　福島民友新聞別刷り「タッチ」で「ただいま　ふくしま」を連載中の、霊山町（現伊達市）出身のイラストレーター佐藤ジュンコさん（仙台市在住）が、イラスト集「栗尾根マロン彦のたらちねロマン飛行」を発行した。

　ボーダーの服がトレードマークの愛らしいキャラクター「栗尾根マロン彦」が主人公の、１こま漫画のようなイラストを集めた。

　キャラクター誕生のきっかけをジュンコさんに聞くと「ある日思い立ってノートに描いた落書きが、マロン彦の始まり」だったという。以来、秋になるとマロン彦のイラストを描きため、今回一冊にまとめた。

　日常の一こまを切り取ったような、思わず笑顔になってしまう愉快なイラストが並ぶ。どこから読んでも楽しめる本が完成した。

　同書は文庫判で、仙台市の書店「ボタン」が発行した。これまでの出版社からの発行と違い、ジュンコさん自身も制作に深く関わったという。

　「一冊の本が読者に届くまでにはたくさんの人の手が掛かっていることが分かった。今まで出した本に携わってくれた方々にも改めて感謝したい」

　また、ミシマ社（東京）のウェブサイトでは漫画「マロン彦の小冒険」を連載している。こちらは、マロン彦と仲間たちが旅をしたり日常のことをふと立ち止まって考えたりする物語だ。季節や時事に即したストーリーやモノローグが多く、マロン彦はジュンコさん自身なのでは？と思う部分が多い。

　その点を聞くと「まるっきりではないけれど、私に近い感じ。以前、編集者から『思っていても大きな声では言えないようなことをマロン彦に託してみては』とアドバイスされ、それ以来、自分の代わりに言ってもらう話が増えた気がする」。

　イラストで、物語で、ジュンコさんの相棒として大活躍のマロン彦だが、ジュンコさんにとってどんな存在なのかを聞くと「分身のようでもあり、友達のようでもある。言葉を託している大切な存在」。

　「（新刊を）読んだ人には、一緒の気持ちになって『ふふっ』と楽しんでもらえたらうれしい。時々手に取って読み返して、いい時間のお供になるといいなと思います。いつまでもそばに置いてもらえる、仲良しの本になれたら」

　「栗尾根マロン彦のたらちねロマン飛行」は、ボタン発行、１３２０円。

　通信販売のＵＲＬはｈｔｔｐｓ：／／ｂｕｔｔｏｎ‐ｓｅｎｄａｉ．ｓｔｏｒｅｓ．ｊｐ／。県内ではＢｏｏｋｓ＆Ｃａｆｅコトウ（福島市）で販売中。

◆別刷り「タッチ」連載　「ただいま　ふくしま」　

　県内で出合ったおいしいものや、気になる出来事などをつづる「福島愛」あふれる漫画エッセー。
　最近はコロナ禍で思うように福島へ帰れない日々が続くが「思い出の蓄積がたくさんある。描きたいことはメモしていて、ストックはまだ十分」とジュンコさん。

　「紹介したお店では、掲載紙を店頭に飾ってもらうなどうれしい反響が多く、描いて良かったと思う」

　「ただいま　ふくしま」は、毎週木曜日発行の福島民友ウイークリー情報「タッチ」に毎月第２、４木曜日連載。

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December 01, 2020 at 06:58AM
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