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社説:被災地の教育支援 学びと受験の機会確保を - 毎日新聞

珠洲市立飯田小学校に避難する地元住民たち。学校再開の目処は立っていない=石川県珠洲市で2024年1月6日午前9時52分、山崎一輝撮影 拡大
珠洲市立飯田小学校に避難する地元住民たち。学校再開の目処は立っていない=石川県珠洲市で2024年1月6日午前9時52分、山崎一輝撮影

 子どもたちの学びの機会が奪われ、進路の選択に支障を来すようなことがあってはならない。

 能登半島地震の被災地では、建物の破損や亀裂など学校にも大きな影響が及んでいる。

 文部科学省のまとめでは、北陸4県で800校以上の学校が被害を受けた。特に震源地に近い石川県の奥能登地方では、再開のめどすら立たない学校が多い。避難所になっている所もある。

 同県輪島市は、市内3中学校の生徒約400人を県南部の白山市に集団で避難させる方針だ。友人と一緒に勉強できる環境を整えることが望ましい。

 避難期間は長期に及ぶ可能性がある。教職員の確保やスクールカウンセラーの配置など、地元任せにするのではなく、国がバックアップすべきだ。

 親元を離れにくい小学生や、高校生らの学びの場を確保することも今後の課題になる。

 メンタル面への気配りも欠かせない。災害に遭った子どもたちは物音に過敏になったり、気分の浮き沈みが激しくなったりする傾向がある。

 文部科学省が東日本大震災の翌年に行った調査では、高校生以下の14・1%にPTSD(心的外傷後ストレス障害)が疑われる症状があった。

 何年も後になって発症することもある。当事者同士が支え合う「ピアサポート」も重要だ。一人一人に合ったケアが求められる。

 13、14両日には大学入学共通テストがある。現地の受験生は追い込み時期に被災し、厳しい環境に置かれている。

 大学入試センターは、27、28両日に県内で被災者向けの追試も行う。取り残される受験生が出ないようにすることが大切だ。

 阪神大震災では、関西圏を中心に多くの大学が3~4月に特例入試を実施した。今回も出願の締め切りや受験機会の確保に関し、柔軟に対応してほしい。

 入学金の減免や奨学金の手当てなど経済的なサポートも必要となる。中学・高校受験でも同様に対応すべきだ。

 被災した子どもたちが、自分たちの夢をあきらめず、未来に向かって歩めるよう、皆で支えていきたい。

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